もしもあなたが、橋本環奈のような若くて可愛い女性に「◯◯さんってイケオジですね。素敵です。」って言われたら、
もしもあなたが、韓流スターのような若くてかっこいい男性に「◯◯さんが来るっていうから僕も来ました。」なんて言われたら、
「もしかしたら自分のことが好きなのかも」と思ってしまいませんか?
賢い人や人生経験を積んだ人なら、その言葉の裏に隠されている目的や意味合いを考えて相手の真意に気づくことができるかもしれないけど、
言葉の通りに受け取ってしまう人も多いのではないでしょうか?
ただ、その会話を横で聞いていた人なら「そんなわけないだろっ」って気づきますよね。
実際、会話を横で聞いていた人の方が正しく判断できていることが大半です。
では、どうして直接言われた人がその言葉を鵜呑みにしてしまうのか?
「イケオジ」という言葉をきっかけに自分なりの答えを見つけることができました。
イケオジを連発する20代の女の子たち
この前お中元のバイトの研修があり、20代の若い子たちとご一緒しました。
この子たち、ある男性を「イケオジ」と言ったんですよ。
ただね、「イケオジ」と言われた男性、アラフィフおばさんの私から見るとかっこいい感じはせずいたって普通なんですよね。
若い女の子が「イケオジ」と言った男性があまりにも特徴がなく普通すぎて、「もしかしたら違う意味があるんじゃないか」って思わないと納得できないくらい不思議だったわけです。
「イケオジ」ってどういう意味だっけ?
もしかしてイケてる(=かっこいい)おじさんの他に意味があるのか?
20代の女の子たちが「イケオジ」と言ってた人はこんな人
お中元の研修が行われた場所はデパートの最上階の一角で、そのフロアは催事場として使われています。
ちょうど研修の翌日に、全国各地から有名店がこの田舎のデパートに集結する「うまいもの大会」という催しが始まる日でした。
各地の飲食関係の人たちが売り場を作るために大忙しで作業をしている中、
関係者の男性の一人が、私たちが研修している一角にやってきて、デパートの社員さんはいないかと聞いてきました。
その社員さんは不在だったので引き取ってもらったのですが、
社員さんが戻ってきた時に20代の女の子がこう言いました。
「イケオジ、来てましたよ。」
えっ、あの人「イケオジ」なの?
私は少し驚きました。
なぜなら、その男性、いろんな意味で印象に残る顔ではなかったから。
30代ぐらいの方でパッと見、特徴がなく、普通の人というような漠然とした表現以外で表し様のない人だったので、
20代の女の子が「イケオジ」と言った時不思議に思ったんですよ。
もちろん、その20代の女の子本人にも聞きましたよ。
「イケオジって、どんな意味なの?イケてるおじさんって意味じゃないよね?」
でも、スルーされました (T ^ T)
その時が初対面だったので、まだ気軽に話ができるほどの関係性ではなかったのか!?
馴れ馴れしく話しかけてしまった私が空気を読めてなかったのかもしれません…。
そのあともやたら、男性を指す呼称として「イケオジ」って単語が若い子達の会話から聞こえてくるんですよね。
「こんな若い子たちに自分がイケオジって言われてるの聞いたらおじさんたち嬉しいだろうな。」と単純に思っていました。
別な20代の女の子に「イケオジ」ってどんな意味か聞いてみた
それから数日後、
コロナワクチン接種会場スタッフのバイトで一緒になった別の20代の女の子に「イケオジ」について聞いてみました。
「20代の若い子たちの間で「イケオジ」って別な意味があるの?
この前一緒にバイトした若い子たちが何の変哲も無い男性たちのことをやたら「イケオジ」って言っててさ〜。」
と、お中元の研修のバイトでの出来事を話して、「イケオジ」の意味について聞いてみました。
「別の意味があるなんて聞いたことないですね。『イケオジ』は『イケてるおじさん』の意味しかないと思いますよ。
その子たち癖で言っているだけじゃないですか 笑」
なんだ。じゃあ、別の意味があるんじゃなくて、本来の意味自体もなかったってことなのか!
第三者の立場から私はすごく納得しました。
あの平凡なおじさんが20代の若い女の子にとって「イケオジ」なわけないよな、と。
そして、「イケオジ」と言われたおじさんたちの中で、何人が「イケオジ」本来の意味で使ってないということがわかるのか、と。
そんな取り留めのないことを考えていると、また別の20代の女の子の話を思い出しました。
恋愛対象ではないおじさんに言い寄られて会社を辞めた20代女の子の話
以前、コロナワクチン接種申し込み受付のバイトで一緒になった20代女の子から聞いた話です。
前職何してたの?という話から、その会社を退職した話をしてくれました。
家族経営の小さな会社の事務職として働いていたけど、同じ事務職で30代既婚の男性上司から突然セクハラを受けて、それを、社長の奥さんに相談したら、じゃあ辞めてもらうしかないですね、と言われたのが会社を辞めたきっかけです。
その30代既婚男性とは席も隣同士で話もよくしたし、仲のいい一人でした。
仕事を教えてもらったり手伝ってもらったりと、とても親切にしてもらっていました。
それが突然言い寄られるようになって…。
一回り以上も年上なんですよ。しかも既婚者だし。
絶対無理ですよ。もう気持ち悪いしかなかったですね。
普通に喋ってただけなのに、どうして恋愛対象にされたのか何が何だかさっぱりわかりません。
この話を聞いて、退職までしなければならなくなったこの20代の彼女にはとても同情しました。
こいつ(=30代男性)は18歳近く年下の会社の部下に、しかも既婚者のくせに言い寄るなんてとんでもない奴だと思いました。
なぜ、この男性は20代の子と付き合えると思ったのかまったく理解できませんでした。
その女の子が言った何かを勘違いしたのかもしれないけど、現実に言い寄ってくるなんて、少し考えれば無理なのはわかるだろうって思いましたね。
10歳年下男性の言葉に勘違いした過去の自分を思い出した
そんなことを思い出していたら、そういえば自分も似たようなことがあったなと、ある嫌な記憶が蘇ってきました。
それは遡ること10年程前、私がまだ会社員だった頃です。
新入社員の意味深な言葉を真に受けた自分
当時、35歳ぐらいで営業部の事務員をしていました。
そこに、20代半ばの新入社員が配属されました。
そいつがですね、やたら意味深な言葉を私に言ってくるわけですよ。
例えば、「◯◯さんの隣に座れるんだったら、僕も行きたいな。」みたいな感じです。
ニキビだらけで汚い肌だったんですけど、背も180cmくらいあって、顔立ちもかっこいいなと思っていました。
なので、歳の近い既婚の上司にそんなこと言われたら「キモっ」って思うけど、
20代の独身男性に言われたら気持ちがウキウキして嬉しかったです。(←アホ)
そして私にとってある決定的なことをその新入社員に言われたんですよ。
「◯◯さん、付き合っている人とかいるんですか?いないんですか?よしっ!」
この言葉を聞いた時、私のこと好きなのかなって思いましたね。(←アホ)
ただ、その新入社員から意味深な言葉は何度も言われるけど告白はもちろん誘われたりとかは一切なかったんですよね。
それを自分に都合の良いように解釈してしまって、10歳も年上の私を誘ったりしにくいのかなと思い、私から誘ってしまったんですよ。
二人で食事どうですか、というLINEを送りました。
その時はOKしてくれて来てくれたのはいいけど終始スマホばかり見てよそよしかったですね。
好きな人に誘ってもらったら天にも昇る心地だと思うんだけど渋い感じで、食事後にお礼を兼ねて気軽に誘ってとLINEを送ったけど返信はなかったです。
ここでやっと気づきましたね。
こいつの言っていた思わせぶりな言葉は私を利用するためだったんだと。
自分の好意を利用されていることにやっと気づいた
新入社員にとってその部の事務員に気に入ってもらえれば、最初のうちはかなり仕事がしやすいと思います。
ただ、その方法がね…。
私はお陰でかなり恥をかかされました。
私が誘ったということが社内で漏れたのか、隣の部の事務員さんに、
「◯◯さんってずっと女子校だった?学生の頃周りに女子しかいなかったでしょ?」
なんてことも言われましたね。
確かに私は馬鹿だった。
20代のちょっとかっこいい絶対普通にモテる人が、10歳年上の平凡な私を恋愛対象と見るわけないじゃん。
いい年してピュア過ぎた自分への落ち度もあるけど、悲しかったですね。
私、その新入社員に対して何にもしてないのに、なぜこんな恥をかかされなきゃいけないんだろうって。
それに、もしあんな思わせぶりなことをされなかったら、自分から誘うなんてことは絶対なかったのにって。
もう、後悔しかなかった…。
あの時の私の落ち度がなんだったのかやっとわかった!
新入社員とのことは私にとっては自分は騙された被害者なのに、世間の目から見れば私が若い男性に手を出した加害者のようになってしまったことに憤り、深く考えることを今まで避けていました。
でも、今回の「イケオジ」の話から2つの疑問が浮かびました。
- 第三者の立場だと、言葉の真意は比較的容易にわかるのに、当事者という立場だと、言葉の真意を読み解く目がどうして曇ってしまうんだろう。
- 自分に都合よく解釈して、それを信じて疑わない現象がなぜ起こってしまうんだろう。
自分を正当化するための言い訳
新入社員とのことを思い出し、私があの時どうだったかを考えてみました。
私は心の中に思っていることをうまく言語化して相手に伝えることに苦手意識があります。
言葉による意思疎通は本当に厄介だと思っていて、本音と建前の違いとか、社交辞令とかすごく嫌いです。
普段はこのことを意識しているわけではありません。
どっちかっていうと忘れていると思います。
なので新入社員に意味深な言葉を言われた時、その言葉の意味について本人に確認したり、誰かに相談したりすれば良かったのにどうしてしなかったんだろう?
「さっき言ったこと私に言ったの? それって具体的にどういう意味なの?」ただ一言、堂々と本人に聞けば、利用されることもあんな恥をかくことはなかったはず。
でも、私は自分の言いたいことをうまく言えないから無意識に避けてしまったんだと思う。
それが理由?!
なんかしっくりこない…。
やっと見つけたしっくりくる答え
いくら言語化が苦手と言っても聞くのは一言で済むし簡単。それが理由とは思えない。
もう一度聞く。どうして本人に確認しなかったのか?
自分の解釈が否定されるの怖かった。
なぜ怖かったのか?
自分の見たい現実を見たかった。もし本人に確認したら、見たい現実を見れなくなってしまうかもしれない。だから相手を無視して、自分の解釈を押し通した。
自分の好意を利用されたと今まで思っていたけど、実は自分が相手の行動を利用していたんじゃない。
相手の言葉の真意がわかってなかったのではなく、自分の本当の真意に気づかないようにしていたのが原因だったら、勝手に被害者意識を持っていた自分が恥ずかしくなりました。
第三者は自分は関係ないということから、余計な感情など使わずに事実をそのままありのままに見るから状況を客観的に把握できるんだと思います。
当事者になる時は、自分に都合のいい感情を使っていないか心に問いかける必要があると気づきました。
そして第三者の目線のように感情を抜きにして客観的に相手を見れば、恥をかくことも、好意を利用されたと被害者意識を持ち続けることも回避できるのではないでしょうか。
そういえば、今読んでいる本に今の私にぴったりな言葉があったなと思い、探してみたらありました!
すべてを疑ってかかるのも、また、何でも鵜呑みにするのもいけない
アミの世界/エンリケ・バリオス
今なら意味がわかるぅ〜。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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