スキル無し独身女が41歳でホワイト企業の退職を決意した経緯

今から約5年前、私が41歳の時に9年勤めた不動産会社を退職しました。

当時の年収は500万円前後で、残業代も1分単位で加算され有給休暇もしっかりと取れる手放すには惜しい本当にいい会社でした。

私は独身で年齢も40歳を過ぎ資格なども無く今以上の就職先が見つかる可能性はほぼ0%。

それでもなおその職を手放した理由を当時を振り返りながら書いていこうと思います

目次

ホワイト企業であるが故の悩みってどんなの?

私が勤めていた会社はB to Bの不動産会社で大企業ではないのですが利益率が大変高く、帝国データバンクでは常に80点を超えている優良企業でした。

職種は営業事務で、退職した2016年当時はIT化の流れが加速していた時期で仕事も簡単に楽になりつつあり残業もほとんどありませんでした。

基本暇なので1日の大半をネットサーフィンをしながら終業時間を待つ日々。

でも給料は変わらずという恵まれた環境でした。

安定した会社での楽な仕事から生じる悩み

最初はこんないい会社に入社できてラッキー!、と喜んでいたけど、10年近く経つと漠然とした不安に襲われるようになりました。

「こんなぬるま湯につかっていていいの?」

「自分て会社にとってはお荷物だよね?」

「何のために生きているんだろう?」

いくら考えたって答えなんか見つかりそうもなく不安だけが頭をぐるぐると巡っているだけで毎日が押しつぶされそうでした。

事務職から営業職に変われば仕事への「やりがい」が見つかるかもと考えたこともありましたが、行動に移せるほどの強い気持ちを持つことはできませんでした。

ぬるま湯から抜け出したいけど、抜け出す努力が面倒で何もしない自分が嫌で悶々とした毎日を送っていました。

産休育児制度の手厚い会社での独身者の悩み

いつか結婚すると思っていたけど、私には結婚の「け」の字も縁がなかったようです。

ホワイト企業の特権としてしっかりとした産休育休制度がありました。

後輩たちは結婚してお祝い金をもらい、子供を産んで効率よく育休や時短勤務を活用しながら仕事と家庭の両立に頑張っています。

でも、ほぼ独身確定の私にはしっかりした産休育休制度は何の意味もありません。

せっかくいい環境が用意されているのにその恩恵にあずかれるどころか産休、育休を取る人が出てくるたびに負担を負わされている気がする…。

こんな自分が情けなくなりどんどん自己嫌悪に陥る日々でした。

やりたいことが仕事のせいでできないという悩み

20代の頃は派遣社員で働きながらお金を貯めては海外に行ってバックパッカーとして貧乏旅を楽しんでいました。

この会社に入社を決めた時は、

「もういい歳なんだからこんなふらふらした生き方は辞めよう。」

「海外旅行は年に1~2回で十分。定職について結婚して真っ当な生き方をしよう。」

と固く心に誓いました。

しかし、情けないことに10年も経つと”海外に行きたい病”の症状を抑えることができなくなってきました。

連休や有給休暇を組み合わせれば2週間程休みが取れましたが、それぐらいでは満足どころかもっと旅がしたいという欲求の呼び水になるだけでした。

何のために生きているんだろうと、よくわからない不安がどんどんたまっていく日々。

虚しさに耐え切れず心が死んでしまいそうでした。

どうでもいい悩みで本当の悩みを隠そうとしていた

グダグダと当時の悩みを書きましたが、要するに

「40歳過ぎて独身で大した仕事も任せられず優秀で若い社員が入ってきて肩身がせまいから、自分を正当化するための理由を並べていました。ごめんなさい…。」

ってことです。

私の本当の悩みは「会社を辞めることへの恐怖心」ただこれだけだったのです。

悩みの本質から逃れるためにくだらない理由を並べて目をそらしていた

悩みがこんなにシンプルであることにまったく気づかず、会社に行っては周囲に不穏な空気を垂れ流しながら悩む日々。

「退職の意思を上司に伝える」勇気が出せないことを正当化するための偽りの悩みに、無意識に囚われていたのです。

こんな状態だったら心が疲弊するのは当然のように思います。

そんな時にある本に出会い、その中のある一文に気持ちがクリアになり迷いなく退職を実行することができました。

きっかけは笑止抜けするぐらい些細なことだった

その一文を目にした時、物事の視点が一瞬でぐるりと変わったことに驚きました。

目が覚める感覚とはこんな感じなんだ、と。

その言葉とは

リスクを負わない姿勢が一番のリスクになる

1日ひとつだけ、強くなる。 梅原大吾

無意識に感じていた現状維持への危機感を可視化してくれた

この本によると、過去、麻雀はディフェンシブな戦いがセオリーでしたが、そのような戦い方で負けてしまうという状況をよく見るようになったそうです。

そのことから梅原さんはこのように考察します。

コースアウトしないよう、安全に、安全にとやっていて、結局負けてしまう。多少なりともリスクを負わないと、最初から負けが保障されているような状態になってしまうのだ。

コースアウトする可能性があったとしても、より良い走りをしようと前に出て戦う。そのときは駄目だとしても、成長(変化)を続けて、次のレース、次の次のレースで良い成績を出すようにする。

このような姿勢でいることが、最終的に自分の身を守る。

1日ひとつだけ、強くなる。 梅原大吾

心の中にあったモヤモヤが綺麗に言語化され腑に落ちました。

やっと会社を辞めたい理由がわかり恐怖心が消えた

会社に対する不満は入社時から色々あったけど、退職まで考えることはなかったです。

なぜ退職まで考えるようになったのか?

自分がどうこうよりも社会の構造的変化に今のままでは駄目だという焦りがあったからかもしれません。

  • IT化の浸透で会社の構造そのものの変化を余儀なくされ経営陣と高度なITスキルを持つ人以外は会社に必要なくなるのではないか
  • ポータルサイトなどの出現でこれからは特別なスキルがない個人でも稼ぐハードルが低くなるのではないか
  • 独り身なんだから会社辞めたって誰かが困るわけではないから会社に縛られる必要はないのではないか

そんなことを感じるようになったからです。

ただ自分の考えに自信はありませんでした。誰かに相談しても「その年で独身で会社辞めたら終わりじゃん。」と言われる始末。

それが梅原さんの著書に出会い、自分の考えは強ち無謀ではないと確信を持ち行動に移すことができました。

会社辞めてからはどうしたの?

会社辞めてから5年が経ち、46歳になりました。 

今でも相変わらず独身でフリーターです。

やっぱり会社辞めなきゃよかったんじゃない?と思われても残念ながら反論はできません。

でも、自分ではこの5年間でいろいろ挑戦してそのまま会社に居座っていたよりかは成長できたと思います。

シベリア鉄道でロシアを横断したり、

スペインでサンディアゴ巡礼をして1,000km近く歩いたり、

14歳年下のイタリア人と1年半ほど交際もしました 笑

挫折したけど経営者っぽいこともしました。

会社勤めしていたらできなかっただろうことはいっぱい経験できたし、本当に楽しかった。

まだまだ終わりではなくこれからなのでもっといろんなことを楽しみたいと思います。

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