30代前半の頃、私は一度だけ婚活アプリを使ったことがあります。
きっかけは「1ヶ月無料キャンペーン」。軽い気持ちで「ちょっと試してみようかな」と登録してみたのです。
そして実際に一人の男性と会ってみました。
けれど正直に言えば……無理でした。
その方が悪いわけではありません。
ただ、「結婚を前提に」という空気そのものに、私は恐怖を感じてしまったのです。
会話の端々にちらつく「この人と結婚?」という大きなハテナ。
“結婚相手を探す”という行為そのものが、私には怖くて、何より面倒に思えてしまいました。
結局、その一度きりでアプリはやめてしまいました。
なぜ結婚したいのか、わからなかった
今振り返ると、当時の私は「なぜ結婚したいのか」が自分でもわかっていませんでした。
周りが結婚しているから、そろそろ自分もしなきゃいけない。
ただその焦りだけで、本心から結婚を望んでいたわけではなかったのです。
だから当然、足は止まります。
一方で、婚活を粘り強く続けて結婚にたどり着く人たちもいます。
彼らは何十人もの人に会って、ようやく「この人だ」と思える相手に巡り合うのです。
考えてみればすごいことですよね。
昨日まで存在すら知らなかった人が、数年後には一緒に暮らし、子育てを共にする伴侶になるかもしれない。
そんな人生を左右する相手を探すために、何十人、時には何百人と会い続けるわけです。
精神的にどれほどタフでなければ続けられないのか――想像するだけで私はぐったりしてしまいます。
婚活は普段出会えない人と会える最強ツール
それにしても、婚活経験者の話を聞くのは本当に面白い。
私の友人や知り合いは、見た目も普通で清潔感があり、ちゃんとした社会人ばかりです。
なのに、彼らが出会った婚活相手の話はなぜか“変な人”だらけ。
たとえば、昔の同僚(30代前半女性)。
結婚相談所に入会したのですが、彼女はこう嘆いていました。
「紹介されるのは50代の人とかもいて……しかも見た目もやばい感じで。こんな人ばっかりなんだよね。」
そのたびに「自分には価値がないんじゃないか」と落ち込んでいたのです。
また、会社の上司(40代前半、年収2000〜3000万円ほどの男性)も婚活をしていましたが、ある日こんな話をしてくれました。
「この前会った人、ずっと飴をガリガリ噛んでいて……怖かった」
……いやいや、どんな人!?(笑)
同僚も上司も、ごく普通の人たちです。
なのに、出会う相手はなぜかインパクトの強い“変わり種”。
婚活って本当に不思議ですよね。
もちろん、変な人のほうが印象に残りやすいだけかもしれません。
でも考えてみれば、普段の生活では絶対に出会えないような人と会える――婚活は最高の「人間観察ツール」なのかもしれません。
49歳、独身の今だから思うこと
そんな私も、今は49歳、独身です。
結果的に「誰からも選ばれなかった」わけですが……。
ただ、選ばれなくて良かった。
なぜなら、私が生きたい人生にとって結婚はそこまで重要ではなかったと、今は心から思えるからです。
もし結婚していたら、きっと数年で泥沼離婚していたでしょう。
私は人と一緒に暮らすスキルがないし、実際のところ苦痛でしかない。
それに、私は一人が大好きなのです。
自分のしたいことを、自分で決められる自由。
それが私にとっての幸せであり、相手と話し合い時には妥協しながら折り合いをつける生活は、どうしても息苦しく感じてしまう。
そんな自分だからこそ、独身でいることが心地いいのです。
本当に大切なのは「自分の軸」
結婚において大切なのは、条件ではなく 「自分がどんな人生を生きたいか」 という軸だと思います。
そのうえで、結婚という制度を利用したほうが幸せなのか?
結婚するなら、どんな人が自分の人生にしっくりくるのか?
そこを考えることが一番大事なのではないでしょうか。
ところが現実には、そこが置き去りにされがちです。
「結婚して子どもがいるのは当たり前だから」
「年下じゃなきゃ」
「大卒じゃないと」
「年収600万円以上じゃないと」
でも、その条件、本当に必要ですか?
なぜ600万円なのか。
なぜ大卒でなければならないのか。
突き詰めていくと、結局は“誰かが決めた耳ざわりのいい基準”を借りているだけ。
そこに自分自身の気持ちはほとんど反映されていません。
だからこそ、焦って結婚相談所に入る前に、まずは「自分は何を望んでいるのか」を知ることが大切だと思います。
婚活経験は素晴らしいと思う
……と、真面目なことを言いつつも、私はやっぱり婚活体験談を聞くのが大好きです。
人の数だけ物語があり、驚きや笑いにあふれているからです。
そして何十人もの出会いの果てに伴侶を見つけ、家庭を築いている人たちには、心から尊敬の気持ちを抱きます。
婚活は大変だけれど、そこから生まれる物語には、やっぱり人間の面白さが詰まっているのだと思います。
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